木津の磨崖仏

神戸電鉄藍那駅と木津駅の中間、線路沿いの山側にあるのが木津の川池。
この池のすぐ北手に高さ4.5m余りの懸崖になった礫岩が、長さ100mにわたり
露出している。この上方の一部に砂岩層をはさんだところがある。
そこを利用して500年前に仏像を刻んだ磨崖仏があるのは珍しいそうです。
岩の上端からおよそ高さ45aから33a、幅212aの長方形に彫りくぼめて
その中に、中央に阿弥陀n如来の坐像、その左右に各三体ずつの地蔵菩薩の
立像が浮き彫りに表している。
向かって左の隅に3行、「丁亥、石大工兵衛、文正ニ天(1467)」の銘があって
造立の年代を明らかにしている。
阿弥陀と地蔵をあらわすことは、古く仏書に阿弥陀・地蔵一体説があり
仏教の上ではわけのあることと思われます。
この岩の上は東播方面から鵯越を経て兵庫への交通路であったから
往来安全を祈って造営されたものであろう。
木津地方の人たちは明治になってからも伊勢参宮のときなどは
この岩の上まで送り迎えする風習があって
これを「サカムカエ」と言った。

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