8時間労働発祥地之碑

現在広く行われている8時間労働制が国内で最初に導入されたのは
神戸の川崎造船所で、1919年のことである。同年アメリカのワシントンで
開催された第一回ILO(国際労働機構)総会で、条約案として採択された1日
8時間制・週48時間労働制を受けた形だが、この時点では特に法的な拘束力はなく
企業にいち早く導入された経緯には、当時の社長であった松方幸次郎の国際性や
先進性に負うところが大きい。国立西洋美術館の基盤となった「松方コレクション」でも
有名な松方は、実業家として活躍するかたわら文化・芸術面にも造詣が深く、神戸新聞
の創設者としても知られている。
川崎造船所に始まった8時間労働制は次第に多くの基幹産業に採用され、戦後の労働
3法(基準法・関係調整法・組合法)の整備を経て、今日の労働基準法では1日8時間・週
40時間以内と定められるまでになった。
ハーバーランドの一角、対岸の川崎造船と神戸情報文化ビルの間に、兵庫労働基準連合会が
建立した「8時間労働発祥地之碑」が建っている。

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