阿蘇カルデラスーパーマラソン

               2007.06.02

走り始めた頃に知ったウルトラが野辺山とこの阿蘇だった

いろは坂のようなコースを見ても、まるで他人事のように思っていたけれど

雄大な景色を見たいという動機だけで参加を決めた

申し込み開始早々にエントリー手続きを済ませ

順調に宿や飛行機の手配も済ます

走りも順調にきていたけれど、長野が終わり

5月を迎えた頃から何やら調子がおかしくなってきた

脚と腰共に、疲労が溜まってきたのかと思うほど重い

普段の練習でも両方の太ももが軽くしびれる状態

更に追い討ちをかけるように

少し長めの距離を走ると、後になって膝あたりに痛みが出るようになってきた

時間が経てば自然と消えていくけれど・・・

2,3年かけてようやく長い距離を練習で「普通」に走れるようになって

さぁこれからと思っていただけに少なからずショック

走行距離は伸びていても内容的には不本意な最近の走りだった

そんな状況の中で迎えた阿蘇だった

 

大会は土曜開催の為金曜日に移動

昼前の飛行機で伊丹から熊本へ

熊本空港で怪速亭のもりけんさんと話す機会に恵まれ

バス待ちの間あれこれとお話をする

阿蘇駅でバスを乗り継いだけれど乗客の大半はランナー

ウルトラ初参戦の加古川の人とも話す機会を得て会場まで一緒に

最寄のバス停から会場に向かうけれど街は静か

横断幕等も見当たらない

受付会場もいたって静か、拍子抜けするくらい

受付を済ませて、皆と別れて宿に向かう

宿は値段が値段だけに仕方がないと言えばそうだけど、かなり・・・・

明日の用意を済ませて街を少しぶらついたけれど

温泉街というのにそんな風情がないなぁ

部屋に運んでくれた夕食を頂いて早々に床に就く

 

夜中に2,3度目が醒めたけれど雨が降っている音が・・・

2時起床、女将さんが作ってくれたお弁当を食べて

3時頃受付会場に向かう

雨はこの時は止んでいた

大会の規模(100、50合わせて1000人余り)の割には

どこまでいっても物静かです

マイクの音が聞こえない

運転手さんが地声でアナウンスするだけ

スタート会場までは20分弱で着いた

ここもやっぱり静か

大きな体育館の中でゆっくりできるので助かる

足元は人工芝

もりけんさんとも再会し、ボクシーさんとも会えた

ここにもエイドがあってパンとスポドリを頂く

なにかにつけて至れり尽くせりのもてなし

5時

静かにスタート

夜が明けかける頃のスタート

すぐに明るくなりまわりの雄大な景色が目に飛び込んでくる

3日間休養したので体は少しは楽になっていた

それでも走り出すとやっぱり脚も体も重い

そんな中、自分なりに描いた青写真は・・・・

途中起伏もあるけれどワンパターンですが

60kmまでは6分/1kmのペースで

それ以降は出きるだけ粘ってできるものなら粘って11時間以内を目標に!

腰と膝がなんともなければ、の条件付ですが・・・

ウルトラに何度か出たけれど

10kmまでがこれほど遠いと思ったことはなかった

心配していた脚も予想とおり両脚が軽くしびれた状態になる

20kmまでは遠くに阿蘇の山並みを見ながら

農村地帯を延々と走る

沿道の声援もちょっとびっくりするくらい少ない

20km手前付近の交通整理をしている人が185番ですと教えてくれた

えっ、数えてるんやぁ、とびっくり

最初の上りにさしかかる手前でようやくそこそこの集落を通り

「沢山」の声援を受ける

21km過ぎからは3kmほどで400m上る一番の難所

歩きと走りを混ぜながら思ったよりもスムースに走れた

ここからしばらくはだらだらと上りと下りを

繰り返しながら進んでいく

時計を見るとまずまずのペースで走っているけれど

やっぱり調子が良くないから、次の距離表示が気になる走り

ウルトラではフルはあっと言う間にきた感じであったけれど

今回はまだかまだかと待ち焦がれていた

このペースがどこまで続くか不安になっていく

50kmのレストステイションまでは下り基調

飛ばせば後に響くのでゆっくりゆっくり駆け下りる

50kmのスタート地点でもあるのでレストステイションは人が多い

差し出してくれた中間地点用の荷物は低調にお断りして受け取らず

いつものように立ったままで少し補給してすぐに出発

ここで長居をするとあとが却ってしんどいのでだいたこのパターン

下りが続くと言うことは必ず後に上りがあるということで

あまり嬉しくない

下りが多いのに目に見えてペースは落ちてくる

気力もだんだんと薄らいできて

歩こう、歩こうと悪魔のささやきが聞こえる

後半になればなるほど少しの上りでも脚に堪えてくる

60kmを過ぎるとエイドでの滞在時間が少しずつ長くなる

食べて喋ってまた走り出すといういつものパターン

60km付近から88kmあたりまで延々と上り基調

きつくはないけれど距離が長い分じわじわと効いてくる

この頃から古傷の右ひざ付近が少し痛み出す

走り終わってコース図をよ〜く見れば

ここをいかに走るか、ここでどれだけパワーが残っているか、でした

私はここで既に撃沈モードでした><

歩いてもここからなら完走できるという思いと

もうリタイアしちゃえという想いも頭をよぎる

それに応えるかのように少しずつ歩きが入りだす

遠くに白いモノや人影らしきものが見えると

あっエイドや休めるぅ〜と思って近づくと

白いガードレールだったりランナーだったり

あぁほんま疲れてる・・・・

霧雨のように降っていた雨も後半になって止み

一番の楽しみにしていたあの雄大な景色はなんとか見れそう

そうなるとやっぱりそこまでは行ってみたい

エイドでは水、スポドリ、給食をこまめに摂っていたけれど

走り出して恐らくはじめての経験だと思うけれど

少し気分が悪くなってきた

スポドリで胸焼けのような感じになってきて

後半はエイドでは水だけをもらって

後半に多かった私設エイドには幸いにも大抵コーラが置いてあったので

それを頂くと不思議に少し気分は収まってきた

ここ阿蘇の水は美味しい

味がまぁ〜るい感じで実に飲みやすい

とあるエイドに立寄って、ふぅ〜しんどいなぁ、って呟くと

中学生のボランティアがまだ坂がありますよ、とぼそっと言うやないですか!

ほんまやなぁ〜としか言われへん^^

バーベキューのええ匂いがするエイドがあって

どうぞ、と言ってくれたけど遠慮してコーラだけ戴いた

エイドでは今回も色々食べました

パン、梅干、塩、スープ、バナナ、うどん、おそば

スイカ、ソーメン、おにぎり、レモン、オレンジ等々

75km過ぎで、あれ?プチ回復かと思ったりもしたけれど

80km過ぎからのダラダラの上りに差し掛かるとやっぱり走れなかった

元気であれば周りは草原だし気持ちのいい場所なんでしょうが・・・

しっかり寝たはずなのに頭が少しふらつく

80km過ぎのエイドではあと600mで上りはお終いですよ、と

えっ、88km手前も上りでしょ、と聞くと

あんなん可愛いもんです、と言われた

その可愛い坂がどうにここうにも走れなかった

87.5kmから88km付近でついに見えた

外輪山を上り詰めてそこから眺めるカルデラの景色は本当に雄大だった

休憩がてら何枚も写真を撮った

ここから眼下に見える田んぼに向かって一気に下る

膝も痛むし下りは怖いしでゆっくりとしか下れない

下りきって後少しと分かっていてももう脚は前に出ない

気力も失せ気味

最後の気力を振り絞って走りたいけれど

100mと続かない

そんな自分がはがゆい

ひたすらゴールを目指す自分がいない

田んぼの中を諦めて歩き続ける

立ち止まり、ガードレールによりかかるようにして屈伸をする回数が多くなる

ゴールの手前だけでも走れるパワーを残しておこう、と

ゴールが目の前に迫ってきてゆっくり走り出したけれど

そのあたりで面白いことに2回も信号待ち

うええ休憩になりました^^

パンフにも書いてあったようにちゃんと写真に映るように

顔を上げてカメラ目線でゴール

〜 5km  27:15

〜10km  28:00

〜15km  27:50

〜20km  29:18

〜25km  35:58

〜30km  29:26

〜35km  31:09

〜40km  30.00

〜45km  28:11

〜50km  30:07

〜55km  34:53

〜60km  32:37

〜65km  38:03

〜70km  40:15

〜75km  39:04

〜80km  39:44

〜85km  38:09

〜90km  38:31

〜95km  40:03

〜ゴール   48:02

トータル11:26:43

 

メダルを首にかけてもらい完走証をもらって

宿に戻って温泉に浸かって汗と疲れを落として

とんぼ帰りで会場に向かい完走パーティに出る

(制限時間は6時半なのにパーティは5時半から開始、なんで?)

体調がちょっと心配なのでビールは一杯だけにする

ダゴ汁、おにぎり、メロン、ぜんざいをよばれて

7時前に宿に戻り、速攻に近い状態で床に就いた

 

目が覚めるとまたしても雨

右ひざが痛い

筋肉痛は思ったよりも軽い

街はやっぱり今日も静かだった

 
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