第一回隠岐の島ウルトラマラソン

                  05.10.23

今年の秋のウルトラは前回に引き続き四万十川と決めていた

ところが「ランナーズ」で四万十川の1週間後に

隠岐の島で初のウルトラマラソンが開かれると知り

うれしがりの私は急遽そちらに路線変更

連休明けに?ネットで申し込み

宿もそのすぐ後に電話で民宿を予約

 

冬の間故障で走れなかったけれど

春の訪れとともに徐々に走れるようになり

5月にはかなりの手応えを感じるほどだったのが

6月中旬頃からまたもや腰が悪くなってきた

2年前の発症の時より厄介な感じで

しばらくは20kmをまともに走れない時期もあった

スピードは全くと言っていいほどなくなった

練習量を調整したり腹筋や背筋を少しはマジメにしたり

普段の姿勢も気をつけるようにしたりと

それなりの対応策を施して少〜しづつましにはなってきた

 

どん底状態で臨んだ北海道マラソンで予定外に長い距離を走ることができ

少し希望と勇気が沸いてきた

9月以降はなんとか毎週末に30km以上走れるようにはなったものの

最後になると息切れするし

唯一40km以上走った村岡では後半はバテバテだったので

スタミナに一抹の不安を抱えたままでの参加となった

 

今回は走ること以外にもう一つ楽しみがありました

それは使用する交通機関です

往復で利用する交通機関は電車、列車、バス、船

電車・列車は6回6種類、船は2回2種類、バスは3回2種類

それ以外にも現地で循環バスにも乗ります

 

当日まで

忘れ物がないように木曜日から用意をはじめ金曜日に最終チェック

雨や寒いことも想定して荷物をつくる

少し前までは比較的穏やかな天候だったのが

冬型の気圧配置になって荒れ模様になるとか

バスと電車を乗り継いで西明石駅で新幹線をまっていると携帯が鳴る

家からで隠岐汽船から電話があって荒天のため

高速船が欠航する旨の連絡があったとか

折り返し船会社に確認の電話を入れると

波の高さが3〜6mとの予想のため高速船は欠航し本日はフェリーのみ運航とか

この先が思いやられる波乱の幕開け

新幹線こだま、特急やくもと乗り継いで米子へ

ここから境港までは快速みなとライナーで

境港線0番線に待機している列車、時間が迫ってくるのに

乗客がいないので心配になって尋ねると先発は4番線とかであわててホームを移動

11時過ぎに境港に着いたもののフェリーの出発までたっぷりと時間があるので

マラソンツアーの団体が来る前に昼を済ませて

傘を差して「水木ロード」にでかける

通りでまっくろくろすけさんに、戻った船の待合室でタイガさんと遭遇

2時過ぎになってようやく乗船開始

ランナーでほぼ満員

長野から参加の女性を加えた4名で場所を確保して

雨か波しぶきが時々窓にかかり、左右前後に揺れる船の中で沈黙の時間が続く

予定より少し遅れて5時半ころにようやく西郷港に到着

日はとっぷり暮れてしまっていた

循環バスに乗って受付け会場に

時間もあまりないので手続きをすませてすぐに循環バスで宿に向かう

荷物を部屋に置いて早速夕食をいただく

これがもう食べ切れないくらいのボリューム

食べかけたら更にできたてのハンバーグやカレイの唐揚げ等がまだ出てくる

ご馳走につられて珍しくご飯をおかわりした

フロの後部屋で明日の荷物をつくりゴール用とレスト用に分ける

レスト用は着替え一式と予備のシューズ、アンパン等を入れる

ゴール用は遅くなった時の事を考えて服を用意する

ご馳走におなかがびっくりしたのかトイレに2回駆け込む

このハプニングが明日のレース中に影響がでるとは・・・

9時過ぎには床に就き比較的よく寝たつもりだったけれど

夜中の雨風の音はよく聞こえていた

明日は厳しいレースとなりそう

しかしここまできたら不思議と落ち込むこともなく

半分開き直ったのか気持ちの中で天気を気をもむようなことはなかった

 

当日

携帯のアラームで2時半に起床

3時から用意してくださった朝食をいただく

ボリュームたっぷりだったけれどしっかり完食

おなかは大丈夫の様子

腰への効果のほどは分からないけれど痛み止めの薬も飲む

スタート会場まで近いので部屋でテレビを観ながら時間を潰す

雨用の帽子、長袖Tシャツ、ロングタイツの上に簡易カッパ

とういでたちで4時過ぎに出発

止みかけた雨も又降ってきたけれど防備しているので気にならない

タイガさんとは会えたけれどまっくろくろすけさんとは会えなかった

竜馬16さんも探したけれど結局わからずじまい

 

5時スタート

漁船のドラもスタートを祝うかのように鳴り響く

当然の事ながらあたりは真っ暗

松明の灯りに送り出されて一日が始まった

車のライトや漁船の灯り、門灯、懐中電灯等でランナーを、道を照らしてくれる

走り出してすぐにトンネル

今回のコースはトンネルが多いのが特徴

初のトンネルは広く明るく風も気にならない

早朝の暗い中をたくさんの町の人たちが玄関先で応援しれくれる

ありがとう、いってきます、と言葉を交わしながら進む

今回は最後までしっかり応援の声に応えることができた

漁船が右手に見えるので海が見えているのかもしれないけれど暗くて分からない

4kmほど走ると山の中へ入っていく

 

最初の坂が5kmあたりから始まるけれど

予想外に勾配が緩やかで助かる

高低差は100m程で、レースが始まったばかりの段階なので楽に上れた

島1周ということで大半が海岸沿いで海を見ながらと思っていたけれど

実際はそうでもなくて山間部を走ることが多かった

7,8kmあたりで少し白んできた

最初は右あとで左がすこししびれた感覚があったけれど

知らないうちに治まっていた

 

11,2kmあたりで夜が明けてきて海の景色が見えるようになってきた

撮影ポイントをキョロキョロと探しながら走る

晴れていれば右手に朝日が昇ってくるのが見えるはずだけど

この天気では厚い雲に覆われて日の出は全く見えない

防寒用にはめていた薄手の手袋、雨で濡れてしまったし

ぬくもってきたので脱いで腰にひっかける

 

15から20km手前まではあたりは海沿いを走るけれども

シャッターチャンスがあまりない

この間トンネルが多い

温かいトンネルもあれば、強烈な逆風のトンネルもあったり、薄暗かったり

雨はどうやら止んでくれそうな感じ

20km付近で最初の給食エイドがあったけれど

昨日のことがあったので食べるのを少し控える

エイドは2.5km毎に水、5km毎に水とスポドリとバナナ、みかん等

給食は20km地点から始まりそれ以降20km毎にあるということだったけれど

記憶に間違いがなければ20km,48.5km,80kmの三ケ所だったように思う

60kmにもあったかな?

 

トンネルが多いのでトンネルの中に距離表示もある

海を見ながら走るので海からの風に悩まされそうと思っていたけれど

それよりもトンネルの風に悩まされることが多い

 

25km過ぎから前半の最大高低の山越えが始まる

一気に上るのではなく、だら〜と上ってはまた少し下り

それを繰り返しながら上っていく

並走するランナーと距離とアップダウンを確認しながら走る

ピークは33km付近

これを下ればしばらくは「比較的」平坦なコースが待っていると思うと

気分も体も軽くなる

それでもペースはあまり上げない

上りで少し抜いて数少ない平地で並走し下りでは抜かされる

というのが、今回のリズムだったように思う

一気に下りと思っていたら36km手前で左手の下りの道を「拒絶」されて

誘導されるコースは右手の上り道

 

簡易カッパを脱いで手に持って走る

このまま雨が上がれば荷物になるので誰かに言付けようかと思うけれど

「弁当忘れてもカサ忘れるな」という諺もある地域なので持ち続ける

 

レストステーションの距離地点を勘違いしていて

40km過ぎから探しながら、聞きながら、走ったので

もうあるはず、と思っているからまだかまだかと思うと気分的に少ししんどかった

畑の真ん中で牛が放牧されているのを見たときは思わずパチリ

遠くにレストステーションらしき建物が見えて

やっと休憩できると思ったら違っていて、がっくり

レストステーションの手前もやっぱり坂でした^^

坂で並走した人やタイガさんと会う

去年は座り込んで休憩したけれど

今回は座ってしまうと休憩後がしんどいような気がして

立ったままで休憩

ここでさざえの炊き込みごはんのおにぎりを口にしたけれど

小さく刻みすぎているのか食感でさざえを食べてるという感じがしない

カッパは簡単にたたんで腰に引っ掛ける

5分30秒休憩して再スタートしたものの

写真を撮り忘れていたのでもどってパチパチと2枚

来た道の一本隣の道を走るので遠くにレストを目指すランナーを見ることが出来る

ここからしばらくタイガさんと並走する形になった

しんどいわぁ、言いながらも淡々とペースを刻むのはさすがだと思った

タイガさんのおかげで60kmまでなんとか`6分ペースで走れた

 

60kmのエイドで順位をつけているスタッフの学生さんに聞いたら

タイガさんと私で34、35位とか

二人して、早すぎるなぁ、もっとゆっくり行こ!

ここから73km付近まで3度の坂越え

60kmまで予想外にしっかり走れて安心したのと

やはり脚も疲れてきたのとで

とうとう62km手前から歩き出してしまった

次のエイドでは39位に後退

さて、これからどこまで下がることやら・・・・

タイガさんはもう前に行ってしまった

 

昨年の四万十川同様、60kmを過ぎるとガクンとペースダウン

気分転換と休養も兼ねてエイドで立ち止まっておしゃべりし

沿道の人たちと「交流」したり・・・・

疲れた体で黙々と走り続けると気がめいるので

62km過ぎ、66km過ぎ、71km過ぎと計3回約3km歩きが入る

それでも人数が少ないのでぽつんと一人になってしまうかと

思っていたけれどそんなことはなくて

いつも前後の見える範囲内にランナーを確認できたので

なんとかついて行こうと思いながら走ると不思議に脚が動いた

62km付近のエイドでようやくカーボショッツを飲む

でもこれが最初で最後だった

60kmから80kmの間は5km40分ほどに落ちたけれど

歩きを除けば`7分ペースで走っていた計算になる

(でもそれは走り終わってから気がついた話)

 

70km過ぎのエイド

スポドリを飲んで飴をとろうとしたら

私のおすすめは「・・玉」と女学生が言うので、じゃぁと言ってそれも貰って走り出す

あと少しで坂は終わりでそこから下って

87km付近まで「比較的」フラットですとスタッフのおじさんが教えてくれた

それを励みに走るけれどももう少しで下りやと思うと

さっさと歩きが入ってしまった

ピークの73kmを過ぎて坂を下って行くけれど

両方の太腿の前あたりに張りを覚えてしっかりと走れない

坂を下りきると確かに平坦なコースだった

多少の坂はあったけれど不思議とあまり苦にせずに上って行った

沿道で声援を送ってくれている人たちをカメラに収めていたら

一緒に記念撮影しましょうと誘われて皆でハイポーズ

ちゃっかりURLも宣伝してきた^^

80km手前のエイドに到着

給食コーナーで豆腐、ぜんざい、バナナ、みかんと食べる

エイドではこまめに通過順位をつけているので

ここでも聞いてみたらなんと56位にまで落ちてました

それでも自分にしては早いなぁと思う順位

 

どこのエイドでも、エイドに近くなると「ガンバれぇ〜」と大きな声を掛けてくれる

がんばってんねんけどな、やっぱし、しんどいわぁ・・・と応えるしかない

歩いてたりすると沿道で声援をおくるおばさんが

しっかり走らんと後ろに抜かれるよ!とゲキが飛ぶ

60〜80kmの間で6分ペースから見ると40分ほどのロス

それでも75〜80kmの間が思ったよりも脚が動いたし

漠然とこのままだと去年より遅いんかぁ〜、なんて考えると

ちょっとやる気がでてきた

 

82km付近の道路の反対側の私設エイドの呼び声に吸い込まれて立ち寄ってしまう

色々とあったメニューの中から温か〜いお茶を貰う

エイドではどんなものが喜ばれます?と聞かれたので

私はこのあたりの距離だと甘いものがいいです、と

右手に海を見ながらのんびりとした雰囲気の町をはしる

のどかな感じでいいですね

しばらく走ると小さな吊り橋

ちょっとヤル気が出てきたのでカメラマンはここで終了となりました

 

しばらく走っているとおなかがグーグーと鳴る

昨日のことがあったので食べるのを少し加減したのが原因

ここからは給食エイドもないしバナナ等でつなぐしかない

88kmあたりから右足がインソールに当たる感じがしだした

インソールが変形?したのか足にマメのようなものができたのか?

足指を動かしたりしてなんとかごまかしながら走る

 

90kmエイド地点では西郷まで2kmの標示が出るのに

ここから右にそれて隠岐空港方面に迂回して8km余分に走る

ゴールがもうすぐそこにあることを実感する

遅いなりにペースが安定してきてほぼ同じようなメンバーが前後を走る

走り出した頃の天気が嘘のように晴れてきた

95km付近の滑走路したのトンネルをくぐって少し走ると後は下り

沿道の人もここからは下りだよぉ〜と教えてくれる

この島には珍しい広い道を町を眼下に見ながら下っていく

島一番の町とあって沿道の声援も多くなってきた

80km以降`7分ペースで走っている自分にびっくり

痛い脚をがまんしてひたすら下る下る

95kmからは6分前半までペースが上がってきた

見覚えのある風景が見えてきた

時計を見ると11時間をきれそうになってきた

ラスト1kmで10時間48分くらいだった

もう歩いても11時間を切れるところまできた

最後のトンネルを通過して左に折れるとゴールまで2〜300m

しかしここからまたしても坂

最後の最後まで坂のある大会だった

小さくガッツポーズをとってゴール

 

走り終えた途端に超筋肉痛が始まった

先にゴールしていたタイガさんは何と年代別で1位!

粘り強い走りは見習うものがあります

完走メダルを首にかけてもらって少し休憩したあと

循環バスで足早に宿に戻りフロに入って着替えを済ませ部屋でしばし休憩

充実感と達成感と安堵感に包まれながら至福の時間を過ごす

少し早めに会場に戻り

いばらくゴールしてくるランナーを出迎えた後

後夜祭の会場に移動すると廊下の端でへたっている

まっくろくろすけさんを発見

自己ベストを更新して年代別4位の堂々たる走り

やっぱり最近の充実した練習の成果が結果として出ている

7時から始まった後夜祭は表彰式の後パーティーが始まった

会場で久しぶりにSHOさん会う

この場で飲んだ一杯のビールがこの遠征での唯一のアルコールでした

少しだけ飲み食いしたあとすぐに宿に戻り豪華な夕食をいただく

部屋でレース経過を忘れないように

デジカメの画像とコース図とタイムを見ながらメモっていく

 

帰路

朝食後7時過ぎに宿を後にして船乗り場へ

今日まで買う時間がなかったので売店でみやげ物を物色するけれど種類がない

地酒の「隠岐誉」だけはしっかり買った

米子でおぎちゃんと久しぶりの再会を果たししばし歓談

2時半の高速バスで一路神戸・三宮へ

三宮からの新快速にのると「日常」に戻ってきたなぁと思った

 

不安を抱えての参加であったけれど

自分でもびっくりするほど落ち着いた走りができた

現地に行くときから波乱含みであったけれど

全くと言っていいほどいらつくことはなかったし

船の揺れもこれもウルトラのうちと思えるほど冷静だった

悪天候も気分的にめげることもなくむしろ

正面から勝負してやる、という気構えだった

なぜここまで冷静になれたか自分でもよくわからない

60kmまではほぼ完璧に`6分ペースを維持できたし

60km以降も歩きを除けば走りは`7分ほどを保っていた

普段の練習からは考えられないペース

延々と続く坂は確かにボディブローのようにじわじわと効いてくるけれど

上りで我慢して下りで休憩してという走りが

いいリズムとなったのかもしれない

結果として残った記録は11時間を切るいいタイムであったけれど

だからと言って次に一段上を目指すつもりはない

あくまでもウルトラは時間内に完走できればそれでよし、です

次は今の予定ではあの「にちなんおろち」です

 

〜 5km   28:28

〜10km   29:29

〜15km   30:03

〜20km   27:24

〜25km   28:38

〜30km   30:08

〜35km   30:39

〜40km   28:53

〜45km   30:20

〜48.5km 18:56

レスト      6:00

〜50km   10:22

〜55km   29:35

〜60km   32:01

〜65km   39:34

〜70km   35:27

〜75km   41;15

〜80km   41:20

〜85km   36:31

〜90km   33:44

〜95km   34:54

〜100km  31;45

トータル  10:55:41

総合 35位 男子50歳代 8位

 

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